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【なぜ、私たちは学ぶのか】Vol.19  前野俊昭・客員教授

「なぜ学ぶのか?」――これは、これからZEN大学で学ぶ皆さんにとって、とても大切なテーマです。授業や仲間との対話、さまざまな体験を通して、自分の生き方や思いと向き合うヒントを見つけてみませんか?今回は、この問いを前野俊昭・客員教授に投げかけてみました。

学生の学ぶヒントになり得るもので、ご自身の専門に進むきっかけとなった出来事などはありますか? 


子供の頃は電子工作や無線が好きで、それが数学や物理を勉強するきっかけになりました。大学入学時には数学か物理かで迷いましたが、徐々に関心が数学に傾くようになりました。学生時代を過ごした90年代は物理学の理論が数学に強い影響を与えるようになった時代で、自分もその方向の研究に興味を持ちました。その後、組合せ構造の奥深さを知り、今では組合せ論の分野の片隅に住んでいます。

なぜ、私たちは学ぶのでしょうか?


好奇心を満たすための探究活動は他者に肩代わりさせられるものではなく、真に人間的な行為であると言えます。一方、ほんの半世紀程前でも学術資源にアクセスできるのは専門家に限られ、幸運に恵まれなければ知的探求に関わることは困難でした。現代では誰もがネット空間において容易に最先端の研究成果を入手できます。折角この時代に生まれたのならば、学問研究に触れてみるのも悪くないでしょう。

大学時代に読んでおきたいオススメの1冊(タイトル)を教えてください。


バートランド・ラッセル『西洋哲学史』市川三郎(訳)/みすず書房

前野俊昭・客員教授の授業(シラバスと概要)

「組合せ論」シラバス
組合せ論とは有限集合に入る構造の研究である。有限的な対象は考察すべき可能性が有限通りに限られるため一見扱い易そうに感じられるが、独特な難しさや奥深さを持っている。近年は応用的な側面でも組合せ論の考え方の重要性は増している。この授業では組合せ論の基本概念や良く使われる手法について出来るだけ系統的に紹介したい。 本科目は演習科目に位置付けられ、学生の積極的な参加、問題演習への取り組みが求められる。

「トポロジー」シラバス
トポロジー(位相幾何学)は連続変形の下で変化しない図形の性質を研究する幾何学である。トポロジーの考え方は定量的性質よりも定性的性質に注目する点で、現代数学における極めて重要な考え方を提供している。この授業ではトポロジーを学ぶために必要な基本的概念を紹介し、位相不変量の初歩として基本群とホモロジー群の計算方法を扱う。 本科目は演習科目に位置付けられ、学生の積極的な参加、問題演習への取り組みが求められる。

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